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娘の《守護宝石》は真珠。
これまた四大貴石ではなかったが、伯爵夫妻はミルクホワイトに淡い虹のような色をまとった、その愛らしい宝石を見て目を細めた。
「可愛いこの子の肌のような色だね」と父。
「真ん丸な形も可愛らしくて、この子にぴったりの宝石ですね」と母。
穏やかで謙虚な似たもの夫婦は、娘の《守護宝石》を有難くいただいた。
年をとってから生まれた子供は目に入れても痛くないというが、その例にもれず伯爵は娘を溺愛した。
猫可愛がりした。
甘やかすうえにも甘やかした。
かくして子供は、見事なわがまま娘へと成長する。
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