最終話

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最終話

二年が経ち、私は学園を卒業する。 私は卒業生代表、総代として壇上でスピーチをしていた。 後輩たちに拍手で見送られて、この学園を卒業する。 大きな花束を持って、先生が待っていてくれる。 「卒業おめでとう」 「ありがとうございます」 先生はそう言うと、花束を渡してくれた。 「やっと教師と生徒という箍が外れた。僕はよく耐えたと思うぞ」 「何を言ってるんですか……」 「決まってるじゃないか。もうエレノアは生徒じゃない」 「ええ」 「それじゃぁ、ダンスを踊ろうか」 私は、ふふっと笑った。 全然悪い気はしなかった。 いや、むしろ嬉しい。 「ここでですか?この後のパーティーでですか?」 「いや、僕の家で踊ろう」 「家?」 「そう。君が卒業したら、僕は君とダンスを踊って、それから結婚を申し込むつもりだ。だから、誰にも邪魔されない場所の方がいいだろう」 「結婚?」 「そう。僕と結婚して欲しい」 婚約も何もかもすっ飛ばして結婚するのかしら…… けれど、学園時代ずっと先生と一緒だった。 だから婚約期間なんていらない。 「先生。白状草のお茶を飲ませて」 「え?」 「絶対嘘じゃないってわかって欲しいから」 「嘘つくの?」 「いいえ、絶対嘘じゃないプロポーズの返事をしたいから」 「マジか……」 「ええ。真面目よ」 「いや、それは、いいから、今、頼む。今返事をしてくれ」 「……」 「いや、もう……本当に、頼むよ」 先生の困った顔が愛おしくて、少し意地悪した。 もちろん返事は決まっている。 ーーーーーーーーーーーー完ーーーーーーー
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