罰と好機

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罰と好機

「ほら、じっとするんだ」 「フ〜!!フ〜!!」 ワタシは、ゲームに負けた。そして、罰を受けることになる。 それは、爪剥ぎだ。ペンチを改造したもので、ワタシは、怖くなり、手足をジタバタさせる。悲鳴を出せないように口枷もされた。 ワタシの態度に怒った、彼は、ペンチを捨てた。 助かった?諦めてくれた? 今度は、電動ドリルを持ってきた。 「もう、罰を受けな?爪剥ぎか、かかと、膝ドリル。どっちがいい?もしくは」 彼は間を空けて聞く。 「どっちもするか?どうする?」 ワタシは、彼の本気を感じた。 膝が、身体が、ガクガクブルブルと震えた。 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い ワタシは、運がツイてるらしい。 身体が、震えている。 すると、クキュル〜!!とお腹の音が鳴る。 「……この状態なのに、お腹空いてんのかい?」 ワタシは、殺されるなら、お腹いっぱいになって死にたい! そう、頷く。 彼は、ワタシのリアクションを見て、言う。 「……ちょっと待ってね?今からご飯作るから」 そして、数分後、カレーライスと、味噌汁、野菜サラダが出てきた。 「……お腹いっぱい食べな?」 だが、拘束されていたので、無理だと、唸る。 犬みたいな格好をさせられ、また、両手両足、手錠をする。 ワタシの最後の食事。泣きながら、食べる。 「ヒック、ヒック。こ、殺さないでください…お願いします…」 「……早く食べな?あぁそうか。手錠された状態では、食べれないね。仕方ない。私が、食べさせてあげるよ。はい。あ〜ん」 ワタシは、一口食べる。 うん?美味しい!なんだろう?このカレー。凄く美味しい! 「お、美味しい!なんですか、このカレー!!」 「……お?何だい?そのリアクション?あり余る食材で作ったカレーなんだけど?そんなに美味しいのかい?」 美味しい!!まだ、幼い時、家族と一緒に食べたカレーよりとても美味い! このカレーのお肉。よく、下ごしらえしていると思う。 豚かな?なんか、牛肉に近い気がする。 「美味しいよ~!グズッ!!グズッ!!」 「…あ〜あ、鼻水が出て。ほら、泣かないで。鼻かんで!」 味噌汁も、美味しい。家庭の味で優しい。 優しいサラダも、新鮮で美味しかった。 「こんなに、美味しいカレー初めてです!」 彼は、今まで見せた事ない、顔をした。 「……おぅ?そ、そうかい?」 人間らしいリアクションを見せた。 ワタシは、好機と捉えた。 「あの………まだ、おかわりありますか?」 「えっ?まだ、あるけど?」 「おかわりください!」 彼は、ワタシを見て、喜んでいるらしいと分かった。 大きな鍋が、空っぽになるまで、食べ続け、仕舞いには、炊飯器の米がなくなった。 「喰いすぎだ!私のご飯がなくなった!」 ワタシの顔を、タオルで拭きながらツッコむ。 「あのカレーの肉、なんですか?豚のような、牛肉みたいな感じでしたが?」 彼はこう、答えた。 「人肉だよ?」 「えっ?」 「だから、人肉って言った。ちなみに、上腕、両腕の2本を使ったお肉だよ」 ワタシは、吐きそうになった。 えっ?あのお肉、人肉なの?あんなに美味しかったのに! 頭の整理が、追いつかない。 「吐きそうかい?吐くなら、ほら、バケツ持ってくるよ?どうする?」 気分悪くなるが、吐かなかった。 ワタシは精神がおかしくなったらしい。
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