第八章 三角関係勃発!?

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 スパイを派遣して分かったことだが、どうやら捺美は入社してからずっと同僚たちから嫌がらせをされていたらしい。  理由は美人だから。なんていう浅はかで愚かな理由だ。  怒りに震えて、捺美をイジメてきた奴らを全員クビにしてやろうかと思ったが、証拠もないし、そんな個人的な理由で辞めさせることは道義的になしだろうという高城からのアドバイスもあり踏みとどまることができた。  嫌がらせとはいっても、直接なにかをしてくるというわけではなく、たまに嫌味を言われる程度だったとのことだ。  それだけでも俺の中では腹がたって仕方がなかったので、部署異動させたり、捺美に関わらないように裏で手を回したりはしている。  社内で捺美のかげ口や悪口を言う者がいたら、こっそり手をまわして直属の上司から注意されるよう手配もしている。  それもこれも全ては捺美が快適に仕事をできるようにするためだ、と自分の行為を正当化させて報告書の続きを読んでいた目が止まる。 「おい、高城、これはどういうことだ?」 「ああ、夜の謎のミーティングの件ですね」  俺よりも先に報告書に目を通していた高城がなんでもないことのように言った。  ふざけてはいるがこの男、誰よりも仕事が早い。 「特に早急な会議が必要な仕事がなかったにも関わらず、ミーティングルームを使用していた。ちょっと怪しいっすよね」
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