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保健室のベッドでしばらく眠ったおかげなのか、目が覚めた時には、だいぶ身体が楽になってた。
「先生……休ませてもらって、ありがとうございました」
「よかった。少し顔色良くなってるわね」
「はい。歩いて帰れると思います」
「じゅうぶん気をつけて帰るのよ」
「……はい!」
保健の先生に挨拶をして、私は保健室の扉を閉めた。
窓の外から、夕やけこやけのメロディーが聞こえる。
……あれ?
守神くんがいる。
もう17時なのに、何してるんだろう?
どうしても気になって、こっそりを後を追いかける。
廊下の突き当たり、カウンセリングルームの扉の前で、守神くんは足を止めた。
……ヤバっ!
見つからないように、慌てて柱の陰に身を隠したのはいいものの。
……うーん。
冷静に考えると、今やってることって、まるでストーカーみたいだよね。
やっぱ、帰ろうかな。
その時。
「オンミョウチェンジ!」
守神くんの声が聞こえた瞬間、目の前がぐるりと回って、世界が上下サカサマになった。
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