1.誰にも言えないなやみごと

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保健室のベッドでしばらく眠ったおかげなのか、目が覚めた時には、だいぶ身体が楽になってた。 「先生……休ませてもらって、ありがとうございました」 「よかった。少し顔色良くなってるわね」 「はい。歩いて帰れると思います」 「じゅうぶん気をつけて帰るのよ」 「……はい!」 保健の先生に挨拶をして、私は保健室の扉を閉めた。 窓の外から、夕やけこやけのメロディーが聞こえる。 ……あれ? 守神くんがいる。 もう17時なのに、何してるんだろう? どうしても気になって、こっそりを後を追いかける。 廊下の突き当たり、カウンセリングルームの扉の前で、守神くんは足を止めた。 ……ヤバっ! 見つからないように、慌てて柱の陰に身を隠したのはいいものの。 ……うーん。 冷静に考えると、今やってることって、まるでストーカーみたいだよね。 やっぱ、帰ろうかな。 その時。 「オンミョウチェンジ!」 守神くんの声が聞こえた瞬間、目の前がぐるりと回って、世界が上下サカサマになった。
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