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でも、すぐに冷静な表情に戻って、私を背中の後ろにかばってくれる。
「……“護”!!」
キラキラ優しい光が、盾のような形になって、私たちを黒いビームから守ってくれた。
「大丈夫だった?」
……ふぇーん。
何か話したいのに、口の中カラッカラで、声が出そうにないんですけど。
しょーがない。
コクコクうなづいて意思表示しよ。
「若!」
駆け寄ってきた江守先生に、守神くんは目配せする。
「彼はぼくがなんとかします。美月さんは、森谷さんについていてください」
「かしこまりました」
……若?
……美月さん?
……どういうこと?
守神くんと江守先生、いったいどんな関係なの?
そんな疑問を知ってか知らずか、守神くんは私の目をまっすぐ見つめて口を開く。
「森谷さん。……説明はあとでするから、今は美月さんと一緒にいて」
……そうだ。
守神くん、井村くんをなんとかする、って言ってた。
正直、聞きたいことは山ほどあるけど、今は足を引っ張らないことの方が大事だよね。
「……うん」
私を安心させるように微笑んだ守神くんは、きびすをかえした。
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