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パワプロクンポケット9(ゲーム)/コナミデジタルエンタテインメント
【広川武美】
「くやしいなぁ、くやしいなぁ。泣けないなんて……くやしいよぉ」
◇
ほら、やっぱり2回繰り返す系のやつが好きなんだ、俺は。
ドラクエVについて書いていたときも思ったんですけれど、もしかしたら俺は薄幸キャラが好きなのかもしれない。でも薄幸美人みたいなのには別に惹かれないんだよなぁ。不思議。
そもそも薄幸なんて、推しになる特徴としては適切だと思うんですよ。元気が貰える太陽タイプの推しもいるでしょうけれど、「俺が幸せにしてやるからな……っ!」みたいな庇護欲をそそられる感じの属性って感じで。
実は、というとおかしな話かもしれませんが、俺は色んな好きなコンテンツがあるけれど、あまり”推し”というものができたことがないんですよね。作品は好き、キャラも好き。でも特別にこのキャラが突出して大好き、みたいなのがないんですよ。
凄く悲しい考察をすると、キャラクターのことを作品の舞台装置みたいな捉え方をしている節があるからでは、という説がありまして、恐らくですが人の心というものがないのでしょう。
とまぁ、そんな私にも”推し”っているのかと聞かれたときに答えられるキャラクターが2人います。パワポケの広川武美と、FGOのジャンヌダルクオルタです。
そもそも広川武美というキャラクターが好きなんですよ、前提としての話ね?あとエンゼルも好きなんですよ。当時持っていたパワポケが9と13だったというのも運命を感じますね。因みにエンゼルっていうのは広川武美の裏サクセスverです。
パワポケ13の裏サクセスも凄く好きなんですよ。いやマジでやってほしい。特にオチが凄く好きなんですけど、導入も凄く好き。今すぐに購入してプレイしてきてください。
別エッセイ「どう思う?」のスター特典でも語っていましたが……って確認したらまだ非公開でした。因みに「どう思う?」のスター特典は本エッセイと同じ感じですが、本エッセイに比べたら少し整理されています。こっちは言いたいことを言いたいだけ言うエッセイなので。
で、広川武美のことは最初、まぁ普通に好きだなぁって思っていたんですけれど、物語中盤でとんでもない事実が判明するんですよね。なんと彼女の正体、アンドロイドなんですよ。女性型アンドロイドのことをガイノイドっていうことはこの作品で覚えた記憶があります。
ガイノイドなのでもちろん、広川武美というのも本名ではなく自分で考えた名前です。考察として『Hero,come and take me』なんじゃないかっていうのがあって、「好き……」ってなりました。
彼女は他の仲間たちと脱走して町の住民として溶け込んでいたところ、主人公と出会うのですが……正体がバレてしまうんですよ。そのときに「潜入工作用として作られたアンドロイドなので、機密保持のために自爆装置がつけられている」と教えられます。
この自爆装置を解除できるかできないかでハッピーエンドかバッドエンドか決まるのですが……失敗したエンドで出てくるのが冒頭のセリフです。
死にたくないのに死んでしまう。悲しいのに、アンドロイドの自分には涙を流すことすらできない。そのことがより一層アンドロイドだということを感じて、機械人形の運命に抗えない悔しさが募ってしまう。
通常、どのヒロインでもバッドエンドよりハッピーエンドのルートに行けた方が主人公のステータスは上がるんですよ。プラスで限定の超特殊能力までもらえちゃう。まぁ、それだけ難易度が高いんですが。
そしてこれはうろ覚えなので記憶違いなら申し訳ないのですが。何故か、何故かこの広川武美というヒロインに関しては、ハッピーエンドに行けば限定の超特殊能力は貰えるものの、バッドエンドのルートの方が主人公の性能は総合的にみて強くなるという……人の心がないのかコナミさんよぉ!
ちなみに俺は感情移入し過ぎて、30回くらいやったのにバッドエンドには1度も行けていません。アンダーテールでGルートが出来ないっていう人の気持ちがこのときだけは理解できるね。
で、なんですけど。また人の心がないポイントがあって。自爆装置の解除に成功した場合でも、そもそも彼女の機械の体は寿命が短くて、たしか1年くらいしかないんですよ。救ったはずなのに……どうして……。俺、許せねぇっすよ……っ!
とまぁ、そんな悲劇的な運命を背負った彼女ですが、底抜けに明るい性格です。正確には、底抜けに明るい性格を演じています。そこがまた良いんですよねぇ。
なんというかこう、めっちゃ明るい子の家を訪れる機会があって、ぬいぐるみとかピンクとか、ファンシーな物で溢れかえっているんだろうなぁと想像しながら行ったら、夜逃げでもするの?ってくらい殺風景な部屋だったみたいな、闇を感じるポイントは凄く好きだったりします。実は、ね。ここだけの話、ね。
アンドロイドなのにどこか人間くさい、人間に憧れたガイノイド。その生涯には残酷な運命が待ち受けているものだとしても……きっと最後には「良い人生だった」と笑うことができると。私はそう祈らずにはいられません。
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