第1章/プロローグー山中でー

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落札/その2 『津藤律子さま、この度はお世話になっております。 早速ですが、明日の時間は、予定通りPM2時30分でお願いします。 正確な場所は、長野県大河原郡静町尾隠中158-1です。 ナビで約500メートル手前のトンネルまで来れると思うので、そこから直進して、左側にお地蔵さんが立っている場所で待っていてください。 地蔵の真後ろには、1本とんでもなく高い杉の木がありますので、多分間違えないと思います。 同行者の方、もちろんOKです。 あと、こちらの都合ですいませんが、雨天でも予定通りでお願いします。 どうしてもこの日に、代金受取りと受渡しをしたいので。 では、遠いところ大変恐縮ですが、お気をつけてお越しください 向井祐二』 ってわけで目的地、ネットの地図を調べると当然ながらストリートビューはないが、トンネルまではだいたい把握できた。 それにしても、えらい山の中だ。 でも大丈夫。 明日は高校時代の仲良し、美香が四駆で私を乗っけてってくれる。 しかも、迎えに来てくれる、無償で。 まあ、昼1食分は持つつもり。 さあ、美香と先方、えーと、向井祐二さんだったったっけ? 二人にメール入れて、はよ寝るとする。
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