大規模除虫作戦

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大規模除虫作戦

 地表の隙間から、突如無数の幼虫が飛びだしていた。  課長不在でこれ?まあやるしかないけど。  本来、課長不在の穴埋めの場合、勘解由小路のおっさんや、主任の諫早真琴がいたはずなのに、何故かほぼ現役の祓魔官の大人が、しかも、私の切り札静也までもが、揃って不在とかふざけすぎている。 「式神達よ!有れ!フナ侍は密集陣形で虫にぶち当たって!結界構築の補助に回すわよ!温羅!瀬戸大将と協力して虫を薙ぎ払って!カン!」  フナ侍の存在が、結界構築を助け、虫を結界で封緘(ふうかん)した。  温羅の利剣と、瀬戸大将の長巻が、虫を駆除していった。  その時、樹上から飛翔した羽虫を、赤い熱線が貫いた。 「ナイスフォローよウェイトリー!それにしても、増えすぎてない?!」  その時、場が焦熱の地獄に変わっていた。 「助勢仕る」  現れたのは、勘解由小路家メイド長、龍神、龍姫鳴神(りゅうきなるかみ)だった。  おう!流石神だわこの人! 「まあ、このメンツじゃ負けるはずがないわね?各自掃討戦に移行して」  東京のど真ん中に起きた、未曾有の妖虫大発生は、田所紀子の迅速な指示で、誰1人損害を出さないまま掃討されていった。
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