大規模除虫作戦

2/2
前へ
/34ページ
次へ
 紀子が頑張っていた頃、ドイツのベルリン・ブランデンブルク国際空港で、巨大な荷物を背負わされた風間静也が、ヨタヨタになっていた。 「大丈夫か?失敗してコケてもいいぞ?首刎ねるだけだし」 「絶対に、粗相はしません。それより、何の重さです?」  何か、静也は執事服を着せられていた。 「別に?ベルリンで買っといたのよ。プリンキピアの原典と出典その他だ。まあ一応、パパの娘だからなあ。旅のお供に本くらい読む。まあアイザックだからな。いずれザイ的なバッハとかに飛ぶこともあるだろうし」  平成一桁代のアニメの話。誰にも解らないだろうな。静也は思った。  でも、そうですか。 「よし。ちゃっちゃと運べ犬。しょぼいエコノミーじゃなく、私の隣のシートで寝かせてやろう。エグゼクティブだぞ?存分に、私の尻の匂いを嗅がせてやる」  ロクな目に遭わないんじゃないか?  エグゼクティブロイヤルシートに向かっていった。  ところで、何してるんですか?お嬢様。 「あん?今面白おかしくネットワールドを引っ掻き回そうとな?黙って寝てろ。犬」  静也の頭を尻に敷いて、碧はアイマスクを被った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加