珍しく頼もしい友達

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珍しく頼もしい友達

 ――ああ、もう朝かー。  んんん。ああ真琴のおっぱい♡  まず起きて、することが嫁のおっぱいの触診とか、マジでやることがしょうもないおっさんの振る舞いだった。  あれ?いない?ああ、緑の相手かあ。  妙にいい匂いがするのは、ああ、莉里か。  莉里のおでこにキスしてやろう。とかおっさんが考えていると、 「勘解由小路!起きろ!とんでもないことが起きている!」  ガンガンドアをぶっ叩かれていた。 「うるさいなあ。何だ?入ってこい。島原馬鹿」  自然に鍵が開いて、島原が雪崩れ込んできた。 「おい!朝起きて、祓魔課のPCにアクセス出来んのだが!」 「ああうるさいなあ朝からお前は。莉里が起きちゃうだろうに」 「うみゅう――パパ抱っこ」  目をこすって、しかし父親を求めていた。莉里を抱いて父親は、 「――で?アクセス出来なくなった?ああそう言えば、俺の携帯知らない?」  どうでもよさそうに言った。 「知る訳があるまいに!ノートPCを見ろ!このザマだ!」  莉里を胸に抱いたまま、勘解由小路は起き上がった。 「あん?ああ。アク禁にされてるな?ププ。パス書き換えられてる。乗っ取りの典型だ。どうせあれだろう?サンタマリアだろ?ああズか。それと嫁の生年月日と、娘の誕生日の混合か。しょうもないパス使ってるから、碧の奴なんかに乗っ取られるんだ」  やかましい。この非常識親娘め。 「その点俺は、まあ、問題ないが」 「ふわああ。パパ。正直言ってパス簡単だったのよさ。マコトオッパイイクイクフンドシマツリとか、しょうもなさすぎるのよさ。だから、莉里が変えといたのよさ。ラブリリペロペロプイキャーミナゴロシザンカクに」  出鱈目は、ここにもいたのだった。 「あああ。ってことは、碧の奴そのパスも通っちゃってるだろう。真琴!母ちゃん?!」 「あら?おはようございます課長」 「あああ。緑はいつもの朝風呂を堪能してたのか?」 「ええ♡ピカピカです♡緑くんもママも、パパが大しゅきだそうです♡」 「ああそうか♡嬉しいぞ♡三田村さん、流紫降に伝言だ。真帆坊をしっかりもてなしてやれ。じゃあ、俺は先に帰ってる。祓魔課の方は、まあ任せとけ。出国直後に、何か虫が大量に湧いたって情報があっただろう。影チューブは見られるよな?」 「そうだ。それを確認しようと、祓魔課にアクセスした途端、アフリカ系の尻画像しか見られなくなったのだが!」 「碧は解ってるんだ。お前の嗜好って奴を。お前は、眼鏡と楽しくドイツの城観光をしていろ。ボートこーげこーげよー、ブッチャーオンザストリート的な歌歌ってろ」  せめて、銃は持ってくればよかった。 「じゃあ、帰り支度しよう。着替えて集合な?莉里、いいか?」 「うん!川峰さん帰るのよさ!七崎さんはどこか?!」  走って出て行ってしまった。 「お前は友達だし、碧は俺の大事な大事な娘だ。全部任せろ。このくらいなら」  なんで、こんなに素直で頼もしいんだ?こいつは。  島原は、釈然としなかった。
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