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新課長
コーヒー。碧の言葉に、執事服の静也は即動いた。
「熱い!苦い!ミルクと砂糖だ!よく練って持って来い!コーヒーっつったらアイスカフェオレだろうが!マッシャーに逆らうな!屠殺するぞ?!」
味覚は、意外にも子供っぽかった。
「で?何の用だ?お前等」
「呼ばれたから来たんだけど。新課長?さん?」
「呼ばれて来てみりゃあ、師匠のガキじゃねえか。新課長って、正気か?」
「黙れ排泄物イギリス帰れ。私の存在に、何が不満だ?パパと島原のおじさんは、とっくにシャットアウトしてある。私が新課長の勘解由小路碧様だ文句あるか。まあ私が入った以上、なあなあにはせん。早速内閣に指示送っといた。これを見ろ」
「総理と防衛大臣が、無表情でAKB踊ってんぞ」
「馬鹿め。ステップは反閇になってるだろうが。今この国は、霊的防衛の御旗の下、挙国一致体制でだな」
「その割に、やらせてることがクソすぎねえか?」
「狐池猿渡、やれこの馬鹿を。私を舐めた奴はこうなる」
「いででででででで!おい!俺の関節はそっちに曲がらねえように出来てうぎゃああああああああああああああああああ!」
ライルは、僕悪魔2人に、サブミッショナルなスープレックスを食らって、何というか沈黙していた。
「ちなみに霊視班だがな?そりゃあとっくに掌握済みだ。で、田所報告しろ」
このクソガキが。改めて、田所紀子は呪詛を送った。
「はい。えー、虫妖魅が大量に湧いてまして。数万匹いたんですが、まー、斬獲しときましたー」
「ふん。あの欲求不満ババアだな。食った虫が増えたんだ。みんな捨てたな?じゃあ次は、ババアの生んだしょうもない爬虫類共が、肩を並べて襲ってくる訳だ。よし、全部斬獲な?」
まあ、大体父親と同じようなことを言っていた。
「だがまあ、パパ辺りは既にその展開は見えてるだろうな。具体的な手を、先に打っといた。これだ」
うげえ。それを見て紀子は唸った。特殊樹脂のケージの中で、妖ゴキがウゾウゾ動いていた。
「まあ、これをあのババアは食っていた訳だ。虫妖魅は高霊力高タンパクだ。キモさと栄養価は正比例する。それが爬虫類飼育の鉄則だ。こいつはな、祓魔課が捕獲した虫を培養している。これを蒔いときゃ来るだろう。次のステージは、祓魔課だな」
どうでもよさそうに、碧は言っていた。
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