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「ふうちゃん、なんで昨日来なかったの?みんな待ってたんだよ!」
次の日の朝、学校に着くと仲良しのみきちゃんが少し怒りながら私の机の所に来た。
「えっ? 行ったよ、凄い早く行ったんだよ?みんなが来なかったんじゃん!」
私はランドセルを下ろしながら言った。
「えー、神社だよ?」
みきちゃんはクチを尖らせて不満そうだ。
「行ったもーん、でも誰も来なかったんじゃん!」
私も負けずに口を尖らせた。
尖らせながら、もしかしたら男の子と遊んでる間にみんなが来たのかも知れないと不安が過った。
みんな私の事を待っていたのに、知らない子と遊んじゃった罪悪感を感じて、尖らせた唇はへの字口に変わっていき下を向いて黙ってしまった。
みきちゃんは、そんな私を心配してくれて、背中をさすってくれた。
「ふうちゃん来たんだよね? でも会えなかったんだよね? 今日はふうちゃんの家に迎えに行くから一緒に行こう?」
みきちゃんは、そう優しく言ってくれたけど、私はなんだか騙してるみたいで、胸がチクリと痛んだ。
みきちゃん、ごめん、ゴメンね。
その日はみきちゃんは約束通り私を迎えに来てくれて一緒に神社に行った。
みんなとはちゃんと会えたし、いっぱい遊べて、いつもと同じ様に楽しかったけど…あの男の子とは会えなかった。
ペタンコ飛び教えてあげたかったかったのに…。
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