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神社に着くとまだ誰も来ていない。
「よしっ」と私は小さくガッツポーズをした。
みんなが来たら「遅いよ〜〜」って言ってやろうと思ってウキウキしながら神社の境内に続く階段に座っていた。
でも、いつまで待っても誰も来なかった。こんな事初めてで私は階段を登って境内も確認した。
みんなどうしたんだろう?ここって約束したよね?
私の中で不安が込み上げできた。いつも忘れっぽい自分の信頼もなく、近くの公園を見にいこうとして立ち上がった時、ガラスの鈴の音の様な澄んだ声がした。
「何しているの?」
振り返ると男の子が私の数段上の階段の所に立っている。
私はその男の子に目を奪われた。
だって、凄く綺麗な子だったから。
肌が雪の様に白くて、髪は夕暮れに照らされ栗色と金色に光っていて、目が大きくまん丸で瞳が茶色と緑が入り混じる宝石の様に輝いていた。正直、テレビで観ていたアイドルよりも綺麗な子だと思った。
「何しているの?」
眺めているだけの私に、男の子はにこっと笑ってもう一度同じ事を聞いた。
「あっ、友達待ってるんだけど来なくて…」
私はふわふわした気持ちで答えると、男の子は私の隣にちょこんと座った。
「じゃあさ友達来るまで僕と遊ぼうよ」
男の子はそう言って私の顔を覗き込んだ。
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