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突然ですが、彼氏(仮)ができました。
ひとつ年上の先輩で、穏やかな声と優しい雰囲気の人です。
私は怖がりで、臆病だから、いつもびくびくして、心臓はドキドキ。驚いたりすると、気を失う事もあります。
でも先輩が側にいてくれたら。手を繋いだり、抱きしめてくれたりすると、不安や恐怖がすーっと治まっていきます。
……でも。
「うさぎって、寂しいと死んじゃうって、本当ですか……?」
ブランケットで顔を隠しつつ、隣に座る先輩を見上げる。先輩は少し考えてから「いや」と言った。
「ストレスでショック死する事はあるみたいだけど、寂しいからって死んだりはしないらしいよ」
ホッとしていいのか、不安になればいいのかわからない返答だった。色々考えを巡らせても、目が回るだけ。
「鈴、寂しかったの?」
先輩に頭を撫でられた。かと思いきや、しっかりと抱きついてくる。しかも、胸元に顔を埋めるようにして。
急に抱きつかれるのは、まだっ! まだ、慣れません!
「鈴の心音は、鈴の音というより、和太鼓だよね。すごく元気。大丈夫」
大丈夫じゃありません!
先輩のせいで、心臓が爆発しそうです。
この後戻ってきた友ちゃんに、先輩はお説教されていた。
*end*
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