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「どちらの方がよりサヴィトリ様を悦ばせられるか、サヴィトリ様に文字通り身をもってご判断いただこうと思い、このような形と相成りました」
「そんなことを競うな! みんな違ってみんな良い! それでいいだろう! 解散!」
もちろん解散にはならなかった。勢いだけの説得ではどうにもならない。正しく論理的であったとしても結果に違いはなかっただろうが。
カイラシュは先ほど砕いた氷の欠片を舐め、角を取ってからサヴィトリの胸の間に押しつける。手のひらサイズでいびつな形をした氷が体温によって溶け、水の玉が身体の線に沿って滑り落ちていく。
「ひゃっ! カイっ、人が出した氷で妙なことをするな!」
「てっきりこういったプレイをご所望なのかと」
カイラシュは素知らぬ顔をし、螺旋を描くようにして胸の頂にむけて氷を滑らせた。薄いキャミソールが水分で肌に張りつき、胸の尖りを際立たせる。
「ぅうん……そんなわけ、んぁっ! ……ないっ、だろうっ!」
「本当にサヴィトリ様は言行不一致ですよね。別にいいですけれど」
色づいた部分を避けていた氷が、不意に胸の先端をかすめた。一瞬にも満たない冷たく鋭利な刺激によってサヴィトリの身体が大きくのけ反る。
「きゃんっ! ……カイの馬鹿! ほんと馬鹿っ!」
サヴィトリは恥ずかしまぎれに、拘束された手を組んでスレッジハンマーの要領でカイラシュを殴りつける。
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