4-2 東国の生物兵器

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「いいかてめえら! 三番隊隊士も今から一時的に俺の指揮下だ! 三人一組で散開し、今回の標的その他怪しい野郎を見つけたら必ず殺せ! 見敵必殺(けんてきひっさつ)だ!」  かなり物騒なことを言っている。どんな言語に翻訳すると「デートの時間を捻出する」になるのだろう。  担がれているサヴィトリの姿に気付き、ヨイチは片目をつむり、軽く手を振った。見た感じ機嫌は良さそうだ。サヴィトリも手を振り返しておく。 「デートって、こんな森の中のどこで何をするんだ? っていうか私を担ぐ必要などないだろう」 「問題ない。夜までには宿に帰る」  サヴィトリの訴えをすべて無視し、ヴィクラムはサヴィトリを抱えたままどこかへと歩を進めた。
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