4-4 夜空の瞳は心を奪う★

4/6
前へ
/175ページ
次へ
(……いやいや、ダメだろう! なんかもう、最近ずっと流されてばかりだ。私はいったい、どうしたいんだ? どうすればいい?)  サヴィトリが迷っている間に、ヴィクラムは上衣の留め具をすべて外してしまった。服の前がはだけ、森の清涼な空気がサヴィトリの肌に刺さる。 「やっ……ばか! 何やって……!」 「お前は恋人の振りをしないのか?」 「それは、するけれど、別に今は誰も見ていないし……」 「今できなければ、いざという時もできないだろう。練習だとでも思うといい」  ヴィクラムはサヴィトリの胸の浅い谷間に唇を落とした。 「きゃっ! よ、世の恋人たちは本当にこんなことするのか! こんな、外で!?」 「そうだ」  説得力のある低音で断言し、ヴィクラムは撫でるようにして、サヴィトリの肩から服を滑り下ろした。 「ほ、本当に、そうなのか……?」  上半身を露出させられたうえに、肘のところで引っかかっている服が拘束具のようで、サヴィトリは下唇を噛みしめた。じわじわと体温が上がり、同時に恥ずかしさがこみあげてくる。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加