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「カイラシュ、ヴィクラム! くだらないことをしていないで僕にもわかるように説明しろ!」
天の助けのようなタイミングでナーレンダが一喝した。
サヴィトリはその隙にカイラシュの手から逃れ、ナーレンダの後ろに隠れる。
ここにいればひとまず安心だ。カイラシュもヴィクラムも、年長者のナーレンダに対して強くは出られない。
「まずはこの馬鹿げたシフト表! なんでこんな決まりが必要なわけ?」
ナーレンダはくしゃくしゃになった紙を振りかざす。
「サヴィトリ様の想定では単純に、敵をおびき出す時に同行する者の当番表です。ですが実際には紳士協定とでもいいますか、誰からも邪魔されずにサヴィトリ様を口説ける日となります。もちろんイェル術士長にも従っていただきますよ」
『口説ける日?』
サヴィトリとナーレンダの声が重なる。
「主に他人の妨害をしていたのは補佐官殿だがな」
ため息混じりヴィクラムが呟く。
カイラシュはきつくヴィクラムを睨みつけてから言葉を続けた。
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