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「さっき、『ヨイチと楽しげにしているところを見て、頭に血がのぼった』と言ったが、正確には、少し違う」
声の雰囲気がわずかに変わる。
ヴィクラムは服を脱ぐと、ベッドのフットボードの方に雑に投げ捨てた。
サヴィトリには、服を着ている時よりもヴィクラムの身体が大きく見えた。肉体の立体感のせいだろうか。
太い首から盛り上がった肩へと続くなだらかな傾斜は、雄大な稜線を思わせる。サヴィトリの身体をたやすく抱きあげた腕は、強さとしなやかさを兼ね備えた鋼のような筋肉に覆われていた。
また当然のように、胸板はぶ厚く、腹筋は割れ、薄暗い部屋の中でも筋肉の陰影がはっきりと見てとれる。
必ずしも筋肉量が実際の強さにつながるわけではないが、人々が持つ「強さのイメージ」を具現化したような裸体だった。
無意識のうちにヴィクラムの身体を仔細に眺めてしまい、ふと我に返ったサヴィトリは恥ずかしさで顔を背ける。
「人に話せと言うわりに、他のことの方に興味がありそうだな」
ヴィクラムは目を細め、サヴィトリの首に顔を埋めた。はっきりと浮き出た首の筋に唇を這わせる。
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