4-6 酔った勢い

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「わっ! ん……あ、やっ……その、話の方が気になる! 気になるってば!」  服を脱がせようと器用に動く手を押しとどめ、サヴィトリは必要以上に大きな声を上げる。 「そうか? 面白い話ではないが」 「大丈夫。ヴィクラムに面白い話など微塵も期待してない」 「なら他のことの方を続けるか」 「お話聞かせてくださいお願いします!」 「どちらにせよ脱がされるのに、往生際が悪いな」  ヴィクラムは息を吐きだすようにふっと短く笑い、サヴィトリの顎を支えるように手を添えた。中指と薬指が顎の下の柔らかい部分をくすぐるように動く。 「ヨイチと楽しげにしているところを見たせいで、意味のないことを考え、想像し、身悶(みもだ)えただけだ」  夜空と同じ色をしたヴィクラムの瞳に、剣呑な光が星のように(またた)いた。  ああ、まただ、と思いつつサヴィトリは瞳の光に魅入られる。 「他の者といる時はどんな風に笑い、どんな顔で抱かれるのか、と」  ヴィクラムは親指でサヴィトリの薄い唇をなぞり、中心のもっとも膨らんだところをくっと押し込んだ。そのまま爪の先で口をこじ開け、中に入れる。節の目立つ太い指が唾液をすくい上げ、舌を撫でつけ、口腔を弄ぶ。
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