第5章 5-1 第1回 男四人の危険な密談(ジェイ視点)

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「貴様のせいでサヴィトリ様が部屋にお引きこもりになられてしまったからに決まっていやがるでしょうがあああああっ!!」  目視可能な殺意の波動を立ち昇らせたカイラシュさんが、さらに追加で黒針を投擲(とうてき)する。黒い雨がヴィクラムさんに降り注ぐ。  ヴィクラムさんは刀の一閃ですべての黒針を砕いてしまった。何度見ても規格外の腕をしている。 「カイラシュ、お前のその変な敬語もどき、どうにかならない? 元家庭教師の僕の教育が疑われるんだけど。あと色々面倒だから、二人とも灰になって」  ナーレンダさんはチョコレートマフィンを頬張りながら、ぱちんとやる気なく指を鳴らした。  次の瞬間、ナーレンダさんの周囲にいくつもの青い火の玉が現れる。カイラシュさんとヴィクラムさんに向かって飛んでいく。  第三厨房にあるテーブルや椅子、内装には耐術加工が施されているのだが、ナーレンダさんの放った青い炎はあっさりとそれを貫通した。ヴィクラムさんによって盾にされたテーブルに、焼け焦げた丸い穴が開く。修繕費(しゅうぜんひ)は術法院に請求しよう。
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