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5-2 三つ巴★
うわこれはひどい。
声にこそ出さなかったが、サヴィトリは顔が引きつるのを抑えられなかった。
今いる場所はクベラ城内にあるサヴィトリの私室だ。その部屋に置いてあるベッドの上で、サヴィトリはぺたんと膝をつけて座り込んでいる。
それだけなら日常でも起こりうることだ。
だがベッドには、他に二人の男性の姿があった。
「サヴィトリ様。すぐに良くして差しあげますからね」
サヴィトリから向かって左側には発情したカイラシュが、
「どっちが先がいいか選べ、サヴィトリ」
右側には要領を得ないことを言うヴィクラムがいた。
二人とも衣服を身につけていない。
カイラシュとヴィクラムがおとなしく並んでいる時点で異常なのに、さらに全裸でいるなど、もはやホラーだ。現実であるはずがない。
サヴィトリは鉛のように重くなった頭を抱える。その時、全裸よりも非常識な自分の格好が目に入った。反射的に悲鳴を上げる。
「わああああっ! なん、なっ、この……これ……!?」
サヴィトリが身につけているのは、なんのために存在しているのかわからないキャミソールだった。
ぎりぎり臀部が隠れるかどうかといったくらい丈は長い。匠の技術を感じさせるほど生地が薄く、裸と遜色ないほどに肌が透けて見える。むしろこれを着ている方が恥ずかしい、といった代物だ。
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