1-3 陽光姫と四人の恋人

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1-3 陽光姫と四人の恋人

「よくわからないけれど、わかったよ。私はとにかく、敵をあぶり出したい。それに支障がなければなんでもいい。みんなには危険なことに協力してもらうんだから」  サヴィトリは強引に話をまとめてしまうことにした。  カイラシュはすぐに揚げ足を取るし、ナーレンダも挑発に乗りやすい。このままでは無駄に長引くだけだ。 「囮作戦、僕は反対だけどね。君は止めたところで、一人でも勝手にやるんだろう。それなら最初から同行した方が気が楽だ」  これ見よがしなため息をつき、ナーレンダはサヴィトリの頭を撫でた。  ナーレンダとの付き合いが一番古く、サヴィトリが赤子の頃までさかのぼる。そのせいかサヴィトリが成人した今でも子供扱いされる。十以上の年齢差は大きい。  視界の端でカイラシュが禍々しいオーラを発しているのが見えたが、サヴィトリは努めて記憶から消した。
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