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「補佐官殿にばかり構うな。妬くぞ」
振り上げた両手をヴィクラムに掴まれ、頭の上で押さえつけられた。強引にされたことへの不快感よりも、掠れた低音の囁きにどきっとしてしまった自分が情けない。
ヴィクラムの大きな手がサヴィトリの身体をまさぐる。カイラシュとは対照的に、じんわりと穏やかな体温が伝わってきた。柔い胸がヴィクラムの手の中で形を変え、朱く熱を帯びていく。
「はぁ、あぁ……おかしい、って……っあ! んっ……こんなの……」
なんと説得力のない声だろう、と己に嫌気がさしつつ、サヴィトリは現状できうる限りの抗議を口にする。
「……常々思っていたのですが、わたくしに対する態度とずいぶん違うんですよねー。ヴィクラム殿の前だとなんかみょーに可愛げがあるというかー」
サヴィトリによーく聞かせるような声量でカイラシュが呟いた。
露わになった脇のくぼみにちゅっと音を立ててくちづけ、舌先でくすぐる。氷を舐めていたせいでカイラシュの唇も舌もひやりとするほど冷たい。
氷を持った手は鳩尾を通り、臍のくぼみを迂回して脚の付け根へと向かう。
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