5-4 元暗殺者のモーニングコール

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5-4 元暗殺者のモーニングコール

「おはようサヴィトリ! いきなりだけど、食事はAコースとBコースのどっちがいい?」 「……えぇ?」  起き抜けに大きな声で挨拶と質問をぶつけられ、サヴィトリは困惑を返すことしかできない。 「Aコースね。おっけー!」  ジェイはいつものにこにこ笑顔を作り、サヴィトリの腕を引っ張ってベッドから起き上がらせた。  状況が把握できないサヴィトリは、されるがままに任せる。 「ジェイ、私はAって言ったんじゃなくて……」  サヴィトリは頭を抱えた。  ジェイのテンションについていけない、というのもあるが、単純に頭痛がした。夢見が悪かったような気がする。  ――いや、間違いなくひどい夢を見た。何がひどかったのか具体的には思い出せないが、ひどいという実感だけは残っている。 「狼討伐から戻ってからずーっと部屋に引きこもってるから、勝手に鍵開けて入っちゃった」 「引きこもり……」  サヴィトリはジェイの言葉を反芻する。頭にもやがかかっていて思い出せない。  それよりも「鍵開けて入っちゃった」の方が引っかかる。曲がりなりにも王女の部屋だ。簡単に開けられるような鍵を使っているわけがない。
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