1-3 陽光姫と四人の恋人

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「ちなみに囮作戦の方は、襲ってきた奴を生け捕りにして、裏にいる奴を吐かせるってことでいいの?」 「ううん、そんな面倒なことする必要ない。相手の撃つ矢がなくなるまで、来た奴全員叩き潰す。ただそれだけ」  サヴィトリは尋ねてきたナーレンダにだけでなく、この場にいる全員に向けて言った。 「徹底的に叩きのめして、相手に義がないことを骨の髄まで味わわせる。相手の協力者には、そいつに味方してもなんの利もないことをわからせる。義も利もなければ、集団は立ち行かなくなる。そうやって潰した前例を一つ作っておけば、よほどのことがない限り私と敵対しようとは思わなくなるでしょう?」  サヴィトリが唯一の後継者である限り命は狙われ続ける。たとえ内通者を突きとめて捕縛しても、一時的な解決にしかならない。  重要なのは長期的なリスク軽減だ。敵対するとどんな不利益を被るのか示してやれば、よほどの愚か者以外は手を引くだろう。
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