5-4 元暗殺者のモーニングコール

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(四日、か。ちょっとくさいかも。ジェイが戻ってくる前にシャワー浴びよう)  サヴィトリは部屋に備え付けの浴室へと向かった。少し眩暈(めまい)がするが、四日も寝たきりだったせいだろう。  クベラ人はよほど風呂が好きなのか、寝室や客室に浴室が完備されていた。ここ以外にもタイクーンのみが使える大浴場や、サヴィトリが初めて城に来た時に強制的に入れられた賓客用の浴場もある。  浴室の壁に付いている正方形のボタンに触れると、シャワーヘッドから水が噴出する。これも術法院で開発された術具の一種だ。ナーレンダから原理を教えてもらったが、サヴィトリの頭からは抜け落ちている。  シャワーの温度を確かめてから、サヴィトリは服を脱いだ。カゴに乱雑に投げ入れる。  下着に手をかけた瞬間、サヴィトリはぎくりとした。 (なにこれ、なんで……!)  焦りと動揺で顔が赤くなる。  痕跡を水で流してしまおうと、サヴィトリは脱いだ下着にシャワーを浴びせかけた。おそるおそる、自分の下肢に手を伸ばす。
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