5-5 一番じゃなくていい

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5-5 一番じゃなくていい

「私が眠っている間に他に何か変わったことはあった?」  ジェイに用意してもらった食事に手を付けながらサヴィトリは尋ねた。  テーブルの上には、とろとろになるまでじっくり煮込まれたお(かゆ)と野菜のピューレ、食べやすくカットされたフルーツ、温かいお茶が用意されている。 「想像つくと思うけど、みんな心配してたよ」  ジェイはサヴィトリの向かいに座り、お茶をすすった。 「あとは平常通り。どの派閥もこれといって動きはなし」  調味料の入った小瓶をそれぞれの派閥に見立てて並べる。 「生物兵器を持ち込んだっていう羅刹隊士の事情聴取に俺も立ち会いたかったんだけど、補佐官権限でカイラシュさんに連れていかれちゃったからね」  ジェイはカットフルーツにフォークを突き刺し、口の中に放り込んだ。 「よっぽど知られたくないことがあるのかも」  にこにこと美味しそうに咀嚼(そしゃく)する。 「私はまわりくどい言い方は好きじゃない。それくらいジェイも知っているよね」  サヴィトリは米の粒が煮溶けて(のり)のようになったお粥を胃に流し込んだ。ほのかに甘みがあって美味しいが、ほとんど食感がないせいか物足りない。
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