1-3 陽光姫と四人の恋人

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「パワープレイにもほどがある……」  ナーレンダは頭を抱えてしまった。 「サヴィトリ様の敵はゴミクズ以下です。存在価値などあるはずもありません。速やかに根絶やしにしましょう」  カイラシュは嬉々として(こうべ)を垂れる。 「相変わらず荒っぽいな。俺好みではあるが」  ヴィクラムは腰に()いた刀の柄を撫で、薄く笑った。 「あのー……そろそろ俺も喋っていいですか?」  気弱で申し訳なさそうな声が上がる。  声のした方にサヴィトリが目をやると、今まで存在感をまったく出さなかった茶髪の青年――ジェイが、そろそろと手を挙げていた。 (そういえば居たな)  サヴィトリがこの場に全員を招集し、シフト表にも名前があるにもかかわらず、この瞬間までジェイの存在を忘れていた。  ジェイの年齢はサヴィトリの二つ上で、優しげで親しみやすい青年だ。他の三人がそれぞれ別のベクトルに派手なせいか、四人揃うとジェイの地味さが際立つ。
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