第2章 2-1 オールジャンル対応型補佐官

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「あ、それなら問題ありません」  カイラシュは軽い調子で一蹴した。サヴィトリの両手をぎゅっと握りしめ、潤んだ緋色の瞳を向ける。 「わたくし、サヴィトリ様のためなら無職になります」 「普通に無職は無理」 「サヴィトリ様に永久就職♡」 「慎重に検討しましたところ、誠に残念ではございますがご期待に添いかねる結果となりました。カイラシュ様のこれからのご活躍を心よりお祈り申しあげます」 「どうせ祈るなら、わたくしたち二人の愛に満ちた輝かしい未来を祈りましょう」 「めげないな」 「サヴィトリ様のためとあらば、あらゆる苦難や変態的な複合プレイも辞さない覚悟です」 「いや辞して」 「露出拘束自慰洗体羞恥屋外酔姦触手SM乱交NTRあらゆるジャンルに対応してみせます」 「ごめんそれなんの詠唱?」  意味不明な単語の羅列にサヴィトリが眉をひそめていると、甲高い馬のいななきが聞こえてきた。  馬車が急に減速し、車箱が大きく揺れる。 「サヴィトリ様!」  覆い包まれるように、サヴィトリはカイラシュに抱きしめられた。
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