2-3 雨に濡れた身体を温めるには

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「今回に限らず、サヴィトリ様って変なところで段階吹っ飛ばしますよね。ムチャクチャなことをしているご自覚はありますか。抱きつくのがダメで混浴が大丈夫って何を考えているんですか」  カイラシュは泡を手ですくい、ふーっと息を吹きかけた。白い泡が雪のように舞い散る。 「一番手っ取り早くて効率が良いと思ったけれど、実際にこうなるところまで想像がおよびませんでした」  サヴィトリは両膝を抱え、身体を縮こめた。  目的のために手段を選ばない傾向があるのは、サヴィトリが自覚している悪い癖の一つだ。常に最短の道を走ろうとしてしまう。  それだけならばまだいいが、目的に到達するまでの経路について、想像力が絶対的に足りていない。視野狭窄(しやきょうさく)になりやすく、詰めが甘かった。いつも事態が起こってから自分の愚かさに気付く。
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