2-4 泡沫の時間 ★

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「やっ、ぁ……んんっ!」  他人に触れられることのない場所を刺激され、サヴィトリはたまらず声を漏らした。開いた口から湿度の高い空気が入り込み、むせる。香気も一緒に吸い込んでしまったのか、鼻の奥に香りが留まっている感じがして頭がくらくらする。 「じ、人体の急所に何するんだ!」 「サヴィトリ様に色気のある台詞は期待していませんが、せめてもうちょっと別の言い方ありませんでしたか?」  困ったように笑いながら、カイラシュは唇をうなじから首の付け根の方に這わせた。 「うぅん……やだ、それ……はぁっ、変なかんじ、する……」  サヴィトリは頭を揺すって抵抗を試みる。  自分が何をされているのかよくわからなかった。カイラシュに触れられると、身体中がそわそわと落ち着かなくなる。湯に浸かっている部分よりも顔の方が熱い。
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