2-4 泡沫の時間 ★

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「ガードも緩いし、感じやすいし、本当に心配になります」  カイラシュの手が下から押しあげるようにサヴィトリの胸に触れた。途中で手が滑り、手のひらが胸の頂に擦れる。 「きゃあっ!?」  初めて感じる刺激に、サヴィトリは普段決して出さない弱々しい悲鳴をあげてしまった。 「……ばかっ、やだ!」 「いじらしくて()い声ですね」  カイラシュの澄んだ声に、耳の奥に残るような艶めかしさが混じる。  手のひら全体で温めるようにカイラシュはやわやわとサヴィトリの胸をさすった。泡のせいで若干ぬめりのある湯が潤滑剤となり、意図しないタイミングで手が滑る。 「んっ……ぅ……」  サヴィトリは奥歯を噛みしめて懸命に声を押し殺す。さっきのような声を出したくなかった。明確な理由はわからないが、たまらなく恥ずかしい。カイラシュの腕を振りほどいて逃げようにも、身体にうまく力が入らなかった。
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