3-2 子供扱い

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「そこそこ食欲はありそうだね。とはいえ食べ過ぎて戻されてもことだし、これくらいにしておこう。次は薬」  ナーレンダは皿を置き、いくつかある中で一番小さなアンプルを手に取る。そのラベルには「総合感冒薬」と書かれていた。  ナーレンダはアンプルの蓋を外し、サヴィトリに咥えさせる。少しずつアンプルを傾け、中の液体を流し込む。  液体は異常に甘く、シロップを飲まされているようだった。生薬特有のなんとも言えない匂いが鼻につく。 「甘ったるい」  サヴィトリはべーっと舌を出して顔をしかめた。 「子供用に糖分を加えてあるからね」  ナーレンダは小馬鹿にするように笑う。 「子供じゃない」 「死ぬほど苦い薬が飲みたいって言うならそっちを持ってくるけど」 「子供でいいです」  サヴィトリは唇を尖らせた。  少しでもナーレンダに口答えしようものなら、徹底的にやりこめられる。口元に運ばれた水と共に、サヴィトリは不満を飲み込んだ。
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