3-2 子供扱い

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「で、いったい何があったの?」  ナーレンダはサヴィトリの左手を取り、中指を撫でた。もらった日からずっと指輪をはめていたため、指の根元がうっすらと指輪の形にくぼんでいる。 (カイに取られたままだ)  サヴィトリは思わず手を引き、右手で左手を覆い隠した。 「言わなきゃダメ?」 「他人様(ひとさま)に言えないようなことがあったわけ?」  ナーレンダは間髪入れずに詰めてくる。吊り上がった細い眉と、鋭い光を宿した金色の瞳が恐ろしい。 「そ、の……カイと一緒にお風呂に入って、身体を洗われて、色々触られて、あれこれしそうになったところ、意識がなくなりました。その後のことは、さっき起きるまでの記憶がありません」  サヴィトリは気まずさを紛らわせるため、言った後あははと笑いを付け加えた。思った以上に乾いた笑いになってしまったが。 
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