3-2 子供扱い

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「お喋りはこれくらいにしておこうか。快癒(かいゆ)に必要なのは、充分な栄養と充分な休養。体調が悪い時にあれこれ言ってしまって悪かったね」  ナーレンダはサヴィトリの肩を優しく押して、横になるように促した。  サヴィトリは身体を倒し、毛布を肩口まで引き上げる。 「いつまで経っても、私はナーレに迷惑をかけてばかり」  熱のせいでややかさついたサヴィトリの唇から呟きがこぼれ落ちた。  森で一緒に暮らしていた頃は子供ゆえに迷惑をかけた。今は大人になったはずなのに、余計にナーレンダの手をわずらわせてしまっている。子供扱いされるのも当然かもしれなかった。 「君に迷惑をかけられていない時なんてないからね。急に手がかからなくなるのも寂しいものだよ」  ナーレンダは年相応の穏やかな表情を見せ、サヴィトリの髪をそっと撫でた。
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