第1章 1-1 シフト制にはワケがある

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 もう一方の計画は、隙をさらし、サヴィトリの命を狙う存在をおびき出すこと。  どちらかといえばこちらの方が重要だ。早めに片をつけたい。  サヴィトリは唯一の後継者であるため、前々から他国筋の者に命を狙われている。だが、最近になって国内――しかも城中に内通者がいるらしいことがわかった。  色にボケた振りをして護衛なしに出かければ、ほいほいと襲撃してくれるのではないか。  計画と呼ぶにはあまりに杜撰で危険を伴う。しかしサヴィトリには自分の身以外に賭けられるものがなかった。  外出の際は前述の恋人役の三人に同行してもらうが、皆それぞれ職務がある。そのため、比較的時間の融通がきくカイラシュを含めた四人でシフトを組むことにした。
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