3-4 大人扱い

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「あいつ、君にまでそんなことを吹き込んで……一度本当に焼こうかな」  ナーレンダの瞳に剣呑さが宿る。 「人間、図星をつかれた時に怒るって」 「君は僕が手の早いロリコンだと言いたいわけ?」  口角だけが異常に吊り上がり、目がまったく笑っていないナーレンダの顔が怖かったため、サヴィトリは慌てて首を振った。 「……でも、こんな面倒なことになるくらいなら、さっさと手を出してしまうべきだったかもしれないな」  サヴィトリの頭に衝撃が響く。痛みはないが、心臓が大きく跳ねた。枕に金の髪が広がる。手は握った形のままベッドに押さえつけられた。 「こんな簡単に押し倒されないでよ」  ナーレンダは細く小さく息を吐き、サヴィトリの髪を撫でた。そのまま顔のラインを伝い、首を下り、鎖骨の間のくぼみまで指を滑らせる。  ナーレンダの指先は、炎が灯っているかのように熱かった。
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