3-5 それって迷信ですよ?

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「わたくしが退出したら続きをする気でしょう、いやらしい! 病臥(びょうが)のサヴィトリ様を襲うなんて最低!」  カイラシュは自分の肩を抱き、汚らわしいものでも見るような視線をナーレンダに向けた。 「はぁ!? 他の誰よりお前に一番言われたくないんだけど!」 「わたくしは四六時中サヴィトリ様とあんなことやこんなこと、果てはそんなことまでしたいです! 人の弱みにつけこむ卑劣なイェル術士長と一緒にしないでください!」 「お前がそんなんだからこの子と二人きりにさせたくなかったんだよ!」 「イェル術士長だって二人きりになったら何を仕出かすかわからないじゃないですか。眠るサヴィトリ様の頭を撫でてため息をついたり、落ち着きなく部屋の中をうろうろしたり。テストの採点をしているように見せかけて、ぐるぐる落書きしたり」 「どこでいつから見てたんだお前は!」  ナーレンダは顔を赤くし、若干裏返った声を上げる。
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