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親子
母一人娘一人の二人きりの家族は、時には姉妹のように、時には友達のように、中学生の頃には喧嘩もしたけれど、少し大人になった奈々と綾子との関係は、とてもとても穏やかだった。
高校の友達の亜美と詩織には、料理上手な綾子の作ったお弁当も、いつも羨ましがられた。
そんな料理上手の綾子に似ず、奈々は料理が苦手だった。
それでも、困ることは無く、ただただ綾子に甘えていた。
二人きりは、少し淋しい時もあるけれど、綾子のたくさんの愛情で育てられた奈々は、幸せだな〜と、綾子の笑顔を見る度に心の中で感じていた。
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