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「カンナちゃんって小柄だし、絶対足ブラブラしてるよ?」 同期はその椅子でクルクル回りながらこちらに話しかけてくる。 「同じ名前の花はあんなに大きいのにね」 「花?」 「知らないの?『カンナ』って赤とかオレンジ色した夏の花。もうすぐ満開に咲いて見ごろよ~」 回転を速めて言う同期。いや、近くに上長もいるんだからあんまり遊ぶなよ。ったく。そのカンナちゃんはそんなことしないぞ?仕事は真面目だし気配りもできる。教えた仕事は完璧にこなすし、褒めてみれば小さくはにかんで。それがまた……花が咲いたみたいでたまらなく可愛いんだ。 …… 「あれ?どうしたんですか?」 まもなくコピー用紙を抱えて戻って来た後輩は、自分の席に座って回っている人間を不思議そうに見つめる。 「あ、カンナちゃんお疲れ~。ちょっと急ぎの作業があって待たせてもらってたわ。にしてもあなた、どうしたのこの椅子?座面の高さを最大までのばしちゃって。これじゃ逆にノッポになっちゃう上に、床に足もつかないでしょ?何かの健康法?」 瞬間、後輩の顔が真っ赤に染まった。そして一瞬だけど俺の方を見つめてきた。え?どうした?なんでそんな困り顔になってるんだ?あれ?もしかして……?
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