乗り越えた先の未来 4

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乗り越えた先の未来 4

私達が付き合い出してもう7年が経過し、今日は結婚式。 過去を振り返ると、「色々な事があったな」と改めて感じる。 碧に伝わらない気持ちに制御が効かなくなって、パニックを起こしたり未来の私がやって来たり、両片想いだった事に気付かされたりと沢山の驚きがあった。 これがあったからこそ、私の人生はこんなにも幸せでかけがえのないものになったんだ。 そんな事を考えながら、バージンロードの上を歩き碧の元へと向かった。 あの頃より、大人っぽくなった彼の姿に改めてドキッとする。これからは、家族として一つになるんだという自覚も芽生えた。 ゆっくりと時間をかけながら父から碧の腕に代わり手を回して再び歩き出す。 目の前には、牧師さんが笑顔で迎えてくれていた。 そして、段をのぼり牧師さんを見る。 「新郎高橋碧さん、あなたは西園愛さんを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」 「はい、誓います。」 「新婦西園愛さん、あなたは高橋碧さんを夫とする事を誓いますか?」 「はい、誓います!」 「それでは、誓いのキスを。」 互いに頬を赤らめながら、顔を近づけていく。 そして、唇を重ね合わせた。 その瞬間、教会に拍手が巻き起こった。 嬉しさに、私達は微笑みあったのだった⋯。
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