3.ヒート side倫

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 シャツのボタンを外していく自分の指が黄色がかって見える。  そのくらい真白さんの肌は白かった。  透明な肌にルビーチョコレートみたいな胸の突起。  きっとアルファも、ベータの男の人でも、真白さんの肌に堕ちる。  触れたくて、たまらなくなるはず。  真白さんは、さっき吐いたときに、せっかく服用した抑制剤も吐いてしまったのかもしれない。  薬の成分はいくらか体内に吸収されたはずだけど。  真白さんの頬が朱色に染まっていて、白い胸が切なげに上下している。 「リン。苦しい」  思うように動けない真白さんの代わりに私がベルトに手をかける。 「真白さん。横になって。脚を揃えて向こう側に倒して下さい」  横向きに寝てもらい、くの字の姿勢をとってもらう。  介護士として働いていたときは、更衣の介助も行った。オムツ交換も身体の清拭も、もちろん行った。  仕事なのだと自分に言いきかせる。  真白さんのボトムスを下げたとき、青い匂いが漏れ出した。  フェロモンみたいな甘い熟れた香りではなくて、男の人の、白いものの匂い。  前に一度だけ。前に、付き合っていた彼が、私に、しようとしたから。  男の人がどんなふうに達するか、私は思い出して動揺する。  今さら気が付いた。  真白さんはオメガだけど、やっぱり男の人なんだ。  真白さんが動揺する。 「待て。リン。待てって!」  私には真白さんの後頭部と、ほの青い背中が見えていた。  真白さんは私のジャージを抱きしめたままだった。  彼は私のジャージを口に押し当てて、声を殺した。  あえぎ声を押し殺した。
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