第4話 夫(つま)の脛毛育成日和

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第4話 夫(つま)の脛毛育成日和

「翠、今夜も君の脛毛と添い寝したい」 「……」 翠はじっと俺を見つめたあと、そっと浴衣の裾を上げた。ま……まさか、俺のためにその脛毛を見せてくれるのか……っ!? 「剃って、参りましたので」 「え……っ」 俺は崩れ落ちた。な、何で……っ!?永久脱毛を回避し、4日目まで育てた(つま)の脛毛が……見事にツルンツルン――――っ! 「だから……蒼さんとは寝られません」 「……と、言うことはだ。明日の朝は生えかけのちょい脛毛だ……っ!ふぅ~~っ!」 わぁいっ!明日は生えかけのかわいい脛毛えええぇっ! 「も……毛根から……毛根から抜いて来ます……っ」 え……っ、どうして!?何でなんだ!毛根から抜くと、生えかけの脛毛に出会えるまで時間がかかるじゃないかぁぁぁっ!!! 「よしてくれ……!翠、お願いだ!」 「……抜いて来ます!」 「そんなに俺と寝たくないのか!?」 「……っ、あなたは……私よりも私の脛毛が好きなんでしょう?」 「翠の脛毛も大事な翠の一部だ。俺は翠を何よりも愛しているんだ……!」 俺は翠の身体を抱き締める。そしてキメるのだ。 「俺は、翠を愛している。翠こそが俺の、最高の脛毛(づま)だ……!」 「……離縁してください」 何でえええぇっ!!? せっかくいい雰囲気だったのにいいぃっ!
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