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第5話 夫(つま)の脛毛を愛すものたち
「最近の君のことは、息子から聞いているよ」
「……はい、お義父さん」
今日は、ちょっといい料亭に、翠と共に呼び出されていた。目の前には翠の両親。つまりはお義父さんとお義母さんだ。
「不倫を……していたそうだな」
「大変、申し訳ありませんでした!」
俺は真っ先にお義父さんに土下座をした。
「でも今は、全ての関係を切り、息子さん一筋です!息子さんは俺にとっては最高の夫ですうううぅっ!」
俺は俺の全身全霊をかけてお義父さんに訴えた。
「それだけじゃないだろう!」
しかしお義父さん、お怒りマックス。
「息子さんを冷遇したこと、ここに陳謝いたします!これからは脛毛の毛根まで息子さんを愛すると誓いますううぅっ!」
「息子の脛毛までと言うのか、貴様!」
「はいいいいぃっ!!!」
「く……っ、私が……私がどれだけ……」
「お……お義父さん……?」
ふと顔を上げれば、お義父さんが涙ぐんでいる。
「夫の脛毛を堪能したかったと思う!?ある日脛毛を永久脱毛したと言われた私の気持ちがお前に分かるのか!?」
え……っ、まさかお義父さんも、脛毛フェチ……っ!?
しかしその時、パシィンッと鋭い音が響いた。お義母さんがお義父さんの頬を容赦なくビンタしてたあぁぁっ!!?
「……素人」
「玄人さんのバカッ」
何この甘酸っぱい何かは……っ!!!
しかし俺がクエストお義父さんをクリアしたことは確かである。
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