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シナリオ2
「どうした、王子サマ」
教室の机に座って窓を見ている俺にショウタが声を掛けてくる
「最近いつにも増して憂いがあるんじゃないか?」
コッチはジュンペイ。
この2人は気が付くといつも俺の近くにいる友人だ。
この高校に入ってからの付き合いだけど俺が喋らなくても気にせず、俺のする事に深く干渉することもなく、だけど何かあると助け舟を出してくれる良いヤツらだ。
「この近くの高校の制服、知ってるか?」
突然そんな事を言った俺に
「人探しか?」
「何色の制服?」
早速俺の力になってくれるようだ。
「オレはアソコの制服が好きだな、スカートの色可愛いじゃん」
「オレはセーラーがイチ押しだ。で?トウマの探してるのは?」
俺の探してるのは、
「…紺、上は普通の白」
「おいおい、少ない情報だなぁー」
「でもあったか?白ブレザーに紺のスカート…?」
スマホで学校の制服を検索しながら頭を捻る2人
「ちがう。白のシャツ、と、紺のスラックス」
あちゃーと頭を押さえるショウタが
「その制服は見つけるの大変だぞー」
「他になんかないのか?その子の特徴とか」
その子の特徴…
「かわいかった。」
カァーっと叫ぶジュンペイとショウタ
「マジか!?初恋か!初恋なのか!」
「オマエが好きになるってどんな子なんだよっ」
大盛り上がりだ。
「…文化祭の日に来た。あの庭に。猫連れて来た。」
で?で?と先を促されたが
「それだけ。」
「その子の特徴は?」
「背は?髪は?」
あの子は
「色が白くて、髪は短くて、黒目が大きかった。あと、笑った顔が可愛い」
あの笑顔を思い出すと胸が熱くなる
「スタイルは?どんな?」
「髪が短いって、どのくらいだ?」
「髪は綺麗な黒髪でちょっと前髪が重ためで分け目はここら辺で後ろは俺と同じ位。背は俺と同じ位。脚が長い。腕もスラッとしてた。腰はこの位」
と身振り手振りで説明する
めっちゃじっくり見たんだな。
え、てか背高いな。
と2人が話している。が、すぐに黙り
「男の子?か?」
じっと2人に見つめられる中
「?そう。どこの学校の子なんだろう」
またあの笑顔を思い浮かべていた
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