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会員制レストランの駐車場で弥彦を待つ車の運転席で、国定巡査部長は携帯を弄っていた。
コンコンと、運転席のウィンドウが叩かれた。
「よっ!お前も出待ちか?」
下げたウィンドウから顔をにっと覗かせたのは、秋山巡査部長だった。
「お前もか?よく死神の相手なんかできるよなぁ。この間なんて、うろちょろすんなって釘刺された挙句、詰問されて殺されるとマジで思ったぜ俺。あれは2~3人殺ってる目だな。」
「そうかぁ?お前こそ、公安なんて底意地悪いとこによくつとめてんなぁ。」
「しかし間取先生も不気味なのに、Sにしようと取り合いなんて…。上の考えてることはエゲツ無くて底が知れないよ。」
「それは言えた!出世街道なんて、バケモノだらけのけもの道だな。」
「お前なぁ…。そんな風に他人事のように言うけど、俺達の将来にも繋がってるんだぞ。おい、あれ?聞こえないか、救急車の音?」
「お、ほんとだ。誰か急病かなぁ。」
二人はちょっと視線を外に向けたが、持ち場は離れず命令通り待機を続けていた。もうすぐ怒られるとも知らずに。
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