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本社の桜田門で、4人はすれ違って立ち話となった。 「何で大木が犯人だと分かった!」 弥彦が、同期の黒岩に噛み付く様なもの言いをした。 「たまたま別件で、奴を内偵していただけだ。」 同期に対しても、黒岩は冷たく醒めたもの言いをするので、舐められているように感じるに違いないと、黒岩の運転手兼秘書官の秋山巡査長がハラハラしながら会話を聞いていた。 「思い上がるなよ!」 「弥彦警視正!ここは…。」 今度は、弥彦の部下である国定巡査部長が止めに入った。 「国定、大丈夫だ分かっている。こいつは警視庁の死神だ。正義なんてクソ喰らえなんだよ!」 「それは公安のやり口だろう?」 二人はこれでも仲が良いとのもっぱらの噂らしいが、信じられないと秋山と国定はため息をついて、それぞれの上司を(いざな)った。 (手のかかる。) 警察とは厄介な組織なのだと、若い二人は痛感するこの頃であった。
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