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「やだっ……」
身体を隠すものをなくした私は、身じろぎして脚をぎゅっと閉じた。
その間を割って、諒の手が私の敏感な場所を探って動く。
「つっ……」
「こんなお前、俺だけのものにしておきたい」
「やめて……」
抵抗の言葉を口にするが、力が入らない。
「なぁ、恋人役、ほんとにやってくれないのか」
私の首に、胸に、時折舌を這わせながら、諒は言う。
「だからそれは……」
「その方が元カレのこと、早く忘れられるんじゃないのか」
「そんなこと……」
「寂しいって思う時には俺がいてやるからさ」
熱をはらんだ諒の声が耳朶を打つ。
「そんな、諒ちゃんを利用するようなことは……」
「俺は、瑞月にならどんなに利用されたって構わない。それでも、うん、って言ってくれないのか?」
「言わない」
そんな私にしびれを切らしたかのように、諒の指が淫らに動く。
「あ、んっ……やらないったらやらない」
「俺は瑞月に頼みたい。瑞月がいい」
「やらないってば!」
「俺をその気にさせて結果的にこんな風にしたのは、お前の方だよな。恋人役を引き受けてくれたら、今回のことは許してやるからさ」
「だ、だから、それは不可抗力で……あっ……」
諒の言葉に反論し、抗おうとする度に、諒の手が私の敏感な部分を攻める。
「それに、泥酔したお前の世話を焼いてやった恩を忘れるっていうのか?」
「それはものすごく感謝してる。だけど、それとこれとは別で……っ……んっ…」
「瑞月のここ、もう待ってるじゃないか」
「やだっ……あぁ……」
まだ酔いが残っているせいなのか、それとも口では憎らしいことを言いながらも、私に触れる諒の手がひどく優しいからなのか。次第に私の口からは甘い吐息以外、声も言葉も出なくなっていった。
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